風情あふれる特別な空間で異業種とのコラボをお楽しみいただける出張和菓子体験としては第2回目となる本催し。
今回は「煎茶道方円流 蓮江倖園先生」による本格的なお茶のお点前と、銀座凮月堂の和菓子作り体験をお楽しみいただき、日本の伝統文化を肌で感じていただいたひと時となりました。
場所は四季折々の様々な自然と数寄建築から、日本の伝統文化を身近に感じる事のできる『目白庭園』。
庭の中心には大きな池が配され、その周囲に園路を巡らせた伝統的な池泉回遊式の日本庭園です。
また、限られた空間の中に様々な自然の景観が凝縮されており、ご参加いただいた方たちは都会の喧騒を忘れ、自然と深呼吸をされている姿が多く見られました。
本催しは、その庭園内にある「赤鳥庵」にて開催をさせていただきました。
まずは玉露の冷茶と、貝殻をあしらった和三盆でおもてなしです。
玉露ならではの深いコクのある甘味と和三盆の風味が心を満たします。
冷茶は2煎お楽しみいただき、いよいよ和菓子作りへ。
今回お作りする和菓子はどちらも涼を感じさせる「潮騒」と「水辺」。
「潮騒」:夏の味覚「枝豆」を練り込んだ餡を、水色と白の練切で包み、絹布巾で力強い波の姿に絞って形作りました。上から氷餅を崩してかければ、波しぶきに。
「水辺」: 緑と白の涼しげなきんとん(練切などの生地を篩でそぼろ状にしたもの)に、羊羹製の可愛らしい金魚、水を模した透明な錦玉、すり胡麻の入った練切を小石に見立ててあしらいました。
始めは厳かな景観の赤鳥庵に緊張していた参加者の方々も、会が進むにつれ会話が増え、和気あいあいとした優しい雰囲気での和菓子作り体験となりました。
菓子を作り終えると蓮江倖園先生による煎茶のお点前。
息を吞むような綺麗な所作は、見る者の心を奪います。
繊細で美しい器に注がれた煎茶を、庵の外から聴こえる水のせせらぎに耳を傾けながらお楽しみいただきました。
煎茶は長崎から届いた茶葉を、温度帯を変え2煎。
まずは繊細な甘みや香りを楽しむ事が出来る様、低い温度で淹れられたお茶をお楽しみいただき、2煎目との間にご自身で作成した和菓子を召し上がっていただきました。
続く2煎目は口をさっぱりとさせるよう、高めの温度で淹れられた煎茶となりました。
どちらの煎茶も、一口ごとにため息の出るほどの美味しさ。
茶と和菓子。
昔から続いている、伝統的な食べ合わせを体感していただいたひと時となりました。
3部制で開催された本催しの3部目は、親子での体験です。
子どもたちは、見た事の無い「和菓子が出来上がる前」の餡子を目の前に気持ちが高まった様子。
見ているこちらにもワクワクが伝播し、周りの大人からも笑みがこぼれるほどでした。
子どもたちの為だけに淹れられたお茶と和三盆を楽しみ、初体験の和菓子作りが始まります。
職人の所作を見よう見まねで学び、真剣なまなざしが印象的な一幕。
子どもたちにとっては難しい部分もありましたが、終始笑顔と楽し気な声で満たされていた空間となりました。
もちろん和菓子作り体験の後は、蓮江倖園先生のお茶のお点前。
子どもたちは先ほどとは打って変わり緊張した面持ちとなりましたが、美しい所作から目が離せない様子で目が輝いていました。
お茶を口に運んだ後は「おいしい!」の声。
その声によって、閑寂の中、奥深いものや豊かなものをおのずと感じる、まさに発見の喜びの場となりました。
続いて、和三盆と、楽しみにしていた自分たちで作成した和菓子を口に運びます。
和三盆の口溶けの良さといくつでも食べられてしまうすっきりした甘さに魅せられ、おかわりをしたお子様も。
和菓子も、上手に黒文字で切って…やはり、「おいしい!」の一声。当店の和菓子職人も顔のほころぶ、心から嬉しい瞬間となりました。
これからも銀座凮月堂の和菓子作り体験は独自の切り口で、和菓子の魅力を五感を通じて味わえるようなコラボレーションを開催する予定です。ぜひご期待ください。
次回の出張和菓子作り体験は8月23日(火)。自由学園明日館にて、茶道裏千家 森宗勇先生による本格的なお茶のお点前と、銀座凮月堂の和菓子作り体験をお楽しみいただける催しがございます。
本催しでは「親子でご参加いただける夏休みプラン」・「大人を対象とした和文化体感プラン」の2つをご用意しております。初めての方でも、気軽にご参加いただけます。
ご予約はこちらから
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