銀座凮月堂の人気プランである和菓子作り体験。お客さまに和菓子の魅力をより身近に感じていただきたく、今回は北鎌倉の古民家茶室に場所を移し、少人数制のプレイベントを行ないました。当日の雰囲気をスタッフがレポートいたします。
北鎌倉駅から会場の「北鎌倉 宝庵」まではほぼ一本道。途中からハイキングコースになっており、清らかな山の空気に時おり響くウグイスの声、木々を渡る野生のリスの姿も見られます。
当日は朝から肌寒い雨が降りしきるあいにくの天気でしたが、足元の悪いなか皆さま無事お集まりいただきました。
奥の座敷に集合して、和菓子道具が一式そろった卓に向かうと、いよいよ和菓子作り体験が始まります。今回お作りするのは、春の訪れをかたどった上生菓子『裏桜』と『山笑う』の2種類を2つずつ。うち1つは午後のお点前で濃茶と合わせてお召し上がりいただきます。
『裏桜』:桜の花を裏側からのぞいたときの佇まいを表した上生菓子です。黄身餡を薯蕷練切で包みました。
『山笑う』:春の山に草木が芽吹いて花が咲きはじめる明るい様子をかたどった上生菓子です。うぐいす餡を薯蕷金団で包んでいます。
和菓子職人の永用さんと司会進行役の渡辺さんより、それぞれコメントをいただきました。
永用「店舗での和菓子作り体験よりもお客様との距離が近いせいか、熱心に深いところまで掘り下げて質問される方が多かったように感じます。こちらも説明に熱が入り時間がおしてしまいました」。
渡辺「使い終わったふるいをすぐに片付けられるよう、廊下で聞き耳を立てておりましたがタイミングを見誤る一幕も。それでも皆さんのご協力で円滑に進めることができました」。
ここで一息、お昼休憩をはさみます。割烹の板長がこの日のために腕をふるった特製の仕出し弁当は、旬の食材を詰めこんだ彩り惣菜と風味豊かな筍ご飯の豪華な二段重。春の山をイメージしたあしらいと美しい盛り付けに思わず頬がほころびます。
午後からは茶室に移って、北鎌倉 宝庵の横山先生からお茶のお点前をご指導いただきました。
まずは濃茶から。先ほど作った上生菓子を召し上がりながら、お茶にまつわる作法を丁寧に教えていただきます。濃茶ならではの強い旨味と粘りのある飲みごたえに皆さん驚かれていました。
その次は薄茶と銀座凮月堂の干菓子でお楽しみいただきます。淡い伝統色が美しい干菓子もこの日のためにご用意したものです。
お点前の間は、道具や細かい所作に込められた意味など興味深いお話をたくさん聞かせていただき、ゆったりと贅沢な時間を過ごすことができました。
最後に、北鎌倉 宝庵の先生方や銀座凮月堂スタッフを交えてお話したり、雨に濡れて幽玄な雰囲気のお庭を散策するなど、ひとしきり楽しんでから解散となりました。
今後も銀座凮月堂ならではの切り口で、日々の暮らしから風情を発見できるようなイベントを定期的に開催予定です。ぜひご期待ください。