銀座凮月堂では、7月よりカキ氷の販売をスタートしました。定番の『濃抹茶時雨』と、昨年人気を集めた『花白桃』に加え、今年新たに登場したのは梅シロップの『パープルクイーン氷』です。開発に携わる和菓子職人の高木さんにご紹介いただきます。
高木「旬の果物をモチーフに和菓子屋らしいカキ氷をご提案したいと思い、今年は和歌山県で生産されている『パープルクイーン』という梅を使ってシロップを作りました。梅そのものが赤いので、シロップもこんなふうに鮮やかな緋色になるんです」。
『パープルクイーン』は、JA紀南のみで栽培されている希少な品種の小梅で、程よい酸味とほんのりと桃のような香りが感じられます。シロップに使われるのはパープルクイーンと氷砂糖のみ。シンプルな素材を3週間ほど丁寧に漬け込み、梅が持つ風味を引き出しています。
カキ氷一皿の中にも、さまざまな食感や風味を楽しめる工夫が施されています。
氷は三重県の室生赤目青山国定公園で取れる湧水を使用したもの。火山地帯を通ってミネラルを豊富に含んだ湧水で作る氷は、やわらかな味が特徴です。梅の味わいをしっかりと感じられるように、シロップを使用したジュレをふんだんに散りばめました。ちらりと見え隠れするのは、可愛らしい梅の花をかたどった大葉風味の錦玉(きんぎょく)。食べ進めていくと、内側に潜んだ練乳と混ざり合い、やさしい甘さに変化します。中に隠れた鹿の子豆のふくよかな甘みと歯応えもやわらかな氷と相性抜群。表面に散らした紅たではピリリと辛く、さりげないアクセントになっています。パープルクイーンの甘露煮も添えられ、希少な梅を余すことなく味わえるカキ氷です。
高木「前半はさっぱりとした梅の風味を味わっていただき、後半は練乳のしっとりとした甘さとの調和をお楽しみいただけます。試作では『濃抹茶時雨』と同じ餡子を入れてみましたが、少し味がぼやけてしまうと思い、梅シロップと味が混ざらずにミルクとの相性も良い鹿の子豆に変更しました」。
夏らしい爽やかな酸味と上品な甘さを感じられる『パープルクイーン』のカキ氷は、アフタヌーンティープランのデザートとしても、7月18日より提供予定です。いずれも数量限定での販売になりますので、ぜひお電話にてご予約の上ご来店ください。
カキ氷『パープルクイーン氷』(ドリンク付き:煎茶・和紅茶・珈琲・ハーブティー)/1,870円